【TJAR】地獄の舗装路

南アルプスを越えたら、後は80キロ以上もある長い舗装路で太平洋を目指す。しかし山で酷使してきた足に、アスファルトの摩擦と衝撃は想像を絶する。また80キロ全部が下りなので、筋肉の同じ場所に負荷がかかる。トランスジャパン・アルプスレースで一番堪えるのが、この最後の舗装路「畑薙ダム～大浜海岸」である。間瀬は、まさしく今、その地獄の舗装路を南下中。「･･･足、痛いです（笑）」と足を引き摺りながら、相変わらず笑顔を忘れない。

と、その瞬間、信じられない事が起きた。精魂尽きているはずの間瀬が走り出したのだ。「今日中（7日間以内）に太平洋に着きたい」その思いが間瀬の足に拍車をかける。彼女の目標タイムの残り時間から計算すると、この舗装路を15時間程度で突破しなければならない。ちなみに2年前のレースで、田中でもこの舗装路を17時間かかっている。最後の最後まで間瀬は諦めないだろう。間瀬、がんばれ！