チームメンバーが2チームに分かれて、OMM JAPAN 2021 MOTOSUKOに参戦しました。
OMMとはオリジナルマウンテンマラソンのことで、2人1組のチーム編成で行われる2日間の山岳オリエンテーリングです。選手はテント、寝袋、食料といった荷物を携帯し行動します。
編成は田中正人&田中陽希のベテランチームと安田光輝&米元瑛の若手チーム。
結果、ベテランチームが総合3位、若手チームが5位でした。
田中正人
陽希がチームに戻ってアドベンチャーレースのトレーニングを再開し、その一環としてOMM(オリジナルマウンテンマラソン)に私とペアを組んで参戦しました。OMMはペアで行動する長距離のオリエンテーリングであり、キャンプを含む2日間のステージレースです。キャンプ用品を始め2日間の食料などを全て背負って行なうルールです。装備の軽量化とそれによる耐性との兼ね合い。2人の体力差と装備重量の配分、ナビゲーションの役割分担と実践でのマッチング。アドベンチャーレースと比べればスピードレースとなるため、身体の障害(故障や怪我)、焦りによる諸々のミスやトラブルが発生しやすい。そのため、久々にチームに戻った陽希とのチームワークを確認する絶好の機会となりました。
結果としては、事前トレーニングでお互いの体力差を確認し、それに合った荷物配分を躊躇いなく行えました。それでも生じる細かな差も牽引することで埋め、その時々でお互いにベストが尽くせるような気持ち良いレース展開をすることができた。2日目は高難度のナビゲーション力が求められましたが、2人の役割分担やフォロー関係はとても良かったと思います。チームとしてその時の最高の結果を出すことにお互いにフォーカスできたことは素晴らしかったのではないでしょうか。僕の体力は以前より落ちていたが陽希の心地よいフォローのお陰で前回大会よりも上位チームに絡んだレースをすることができました。1日目3位、2日目1位で総合成績は3位という結果でしたが、順位以上に陽希の頼もしさに嬉しくなりました。
田中陽希
2014年OMMが日本初上陸した年、僕は日本百名山ひと筆書きの挑戦をスタートさせました。それから、足掛け7年、日本を舞台に登り歩き続け、今年ようやく一区切りをつけることができ、チームに本復帰することができました。復帰後、コロナの影響もあり、国際レースは中止、または順延。年内のレース活動は国内のショートレースに絞られてしまいました。その中でも、OMMはアドベンチャーレース要素を多く含んでいて、チームとしても個々のそしてチームの経験値を上げるにはもってこいだと感じ、W田中と若手チームで分かれてのエントリーとなりました。
実はキャプテンの田中さんとペアを組んで、本気でレースをするのは初めてとも言えました。初めてのOMMに緊張していましたが、やはりチームメンバーがいることで、和らぐこともでき、改めて自分以外の存在がいることの喜びを噛みしめていました。
レースに向けてのトレーニングはお互いにスケジュール調整が難しい中、十分とは言えませんが、できる限りのことはできたかと思います。前日は、宿泊先でお互いの装備準備というよりもチーム装備の準備をする意識で、1グラム単位で装備を計量し軽量化に努めました。
※しかし、当日スタート15分前に「ホイッスル」を携帯していないことに気付き、友人に助けられるという経験もしていました。
レースはというと、2日間でメリハリが極端なコース設定となり、初日はナビゲーションの難易度は低く、体力強度がとても高いものとなりました。トレーニング量では僕方が上だったため、チームの移動速度と体力差を埋めるためにスタード時から僕が約10㎏、田中さんが約3㎏をそれぞれ背負っての初日となりました。序盤から突っ込んだペースとなり、中盤から脱水により、チームを牽引していくはずの僕が足を引っ張る格好となってしまいました。逆に登りでは田中さんにけん引される状況に、情けない気持ちと久しぶりに見る田中さんの頼れる背中に勇気をもらいました。
初日は目標時間を大幅に超える7時間10分でゴール。疲労を回復すべく、とにかく補給と休息に努めました。その効果もあったのか、2日目は疲労感が残りながらもまずまずの走りができたかと思います。2日目は体力よりもナビゲーション技術と経験がふんだんに試される設定となり、終盤まで上位3チームが一進一退を繰り返しながらのレース展開となりました。この経験はなかなかできないので、4位スタートの若手チームにはぜひ追いついてほしかったです。
お互いがお互いをフォローしながら良い距離感で終始レースを運ぶことができ、2日目はトップタイムでゴールすることができました。総合結果は初日のタイム差が響き、3位と変わらずでしたが、2日目の走りを継続するように今後の練習を励んできたいと思います。
安田光輝
今回のOMM2021はヨネ(米元暎)と2人で組んで出場する2回目のレースでした。コースは1日目に激しいアップダウンを繰り返す体力を必要とするルート、2日目に樹海特有の見通しの効かない微地形を使ったナビゲーションスキルを求められるルートという違いのハッキリ別れるコース設定でした。結果は1日目4位ゴール、2日目6位ゴールという形でレースを終えました。
レースを終えて痛感したのは「ナビゲーションスキル不足」と「レース経験の不足」です。2日目の樹海コースではコンパスで角度を決めて真っ直ぐ進む技術が最短ルートを進むために必須でした。しかし経験不足で進むうちに角度がブレて予想していた場所と違う場所へ出てしまうことや、進んでいるルートに自信が持てず立ち止まって確認するロスタイムを増やしていました。また2日目は上位にいた事でのプレッシャーからか、出だしからCPへアタックするポイントを外したりと自分たちの感覚と動きが噛み合わない時間が長くCP6を取るあたりまで続きました。技術不足の不安も相まってペースを乱す原因を作ったのだと思います。
今回の反省から山岳オリエンテーリングのレースや合宿に参加して技術を磨く・レース独特のプレッシャーの中で地図読みに慣れるよう訓練したいと思います。また個人だけでなく、ヨネと組んでレースをする事でお互いの状況把握・意思疎通に磨きをかけてチーム力を向上させて来年また挑みたいと思います。
米元暎
2年ぶりに参加させて頂きました。チームの先輩方に勝つ、そして表彰台に立つことが目標でしたが、そのどちらも達成することはできませんでした。非常に悔しい思いです。僕たちのチームは、トップと競うことすらできないところにいました。準備でも読図でも粗削りな部分が目立ち、課題であるチームワームも中途半端な状態に終わってしまいました。今回のレースで起こったこと感じたことを素直な気持ちで受け止め、自らの糧としたいと思います。
2年前と比べて成長した部分もありますが、先輩たちに追いつくことができなかった。また次のレースでは、胸を張ってスタートラインに立つ、そして今度こそ胸の熱くなるような勝負をします。